千本閻魔堂(読み)せんぼんえんまどう

精選版 日本国語大辞典 「千本閻魔堂」の意味・読み・例文・類語

せんぼん‐えんまどう ‥エンマダウ【千本閻魔堂】

京都市上京区閻魔前町にある高野山真言宗の寺、光明山引接寺(いんじょうじ)通称本尊閻魔王。小野篁(たかむら)の建てた閻魔堂がその前身といい、寛仁年間(一〇一七‐二一定覚(じょうがく)開創蓮台野墓地入口にあたった。普賢象桜(ふげんぞうざくら)大念仏狂言とが知られる。また紫式部供養塔と称するものがある。千本。

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改訂新版 世界大百科事典 「千本閻魔堂」の意味・わかりやすい解説

千本閻魔堂 (せんぼんえんまどう)

京都市上京区にある真言宗の寺。正しくは光明山引接(いんじよう)寺。寺伝では寛仁年中(1017-21)定覚上人の開創。その後衰微したが,1273年(文永10)明善律師(如輪上人)が再興した。古来,本尊の丈六の閻魔大王で名高く,洛中の町堂として貴賤信仰を集めた。当寺の大念仏狂言と盂蘭盆会(うらぼんえ)の精霊迎えの行事は有名で,とくに前者壬生(みぶ)寺,嵯峨釈迦堂清凉寺)のそれと合わせて京都の三大念仏狂言に数えられる。また至徳3年(1386)在銘の多宝石塔(重要文化財)は,紫式部の供養塔と伝承されている。
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