千人斬・千人切(読み)せんにんぎり

精選版 日本国語大辞典 「千人斬・千人切」の意味・読み・例文・類語

せんにん‐ぎり【千人斬・千人切】

[1] 〘名〙
① 腕だめしや祈願などのために千人の人を切り殺すこと。
多聞院日記‐天正一四年(1586)三月三日「近般於大坂并京辺千人切興行」
※虎寛本狂言・鬮罪人(室町末‐近世初)「五条の橋の千人切の所を致うと存まするが」
② 千人の異性、特に女性と交わりを持つこと。
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「色事の千人(センニン)ぎりでも致しますのに」
[2] 謡曲。廃曲。奥州阿武隈川の源左衛門は誰ともわからぬ旅人に父を殺されたのを恨み、千人切りの願をたてて日ごとに道で人を切り殺し百人になろうとした時、通りかかった僧があとの九百人の命に代わろうとしてみずからを父のかたきと名のって出る。しかし源左衛門は僧の話を聞いて非を悟り出家して、殺した人たちの菩提(ぼだい)を弔う。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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