十死一生(読み)ジッシイッショウ

デジタル大辞泉 「十死一生」の意味・読み・例文・類語

じっし‐いっしょう〔‐イツシヤウ〕【十死一生】

《「漢書」外戚伝から》ほとんど助かる見込みがないこと。九死一生
十死一生の日」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「十死一生」の意味・読み・例文・類語

じっし‐いっしょう ‥イッシャウ【十死一生】

〘名〙
① ほとんど生きる見込みがないこと。また、そのような状態からかろうじて命が助かること。
正倉院文書‐天平宝字二年(758)七月一四日・小治田人君解「利病臥而至今日不得起居〈略〉今間十死一生侍」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂「高島やのあづまぢ、十死(シ)一生の時、〈略〉大臣〈略〉一日に三度づつの見舞」 〔漢書‐外戚伝上・孝宣許皇后〕
※貞信公記‐抄・延喜九年(909)二月二一日「東宮始参入内裏〈暦日注十死一生〉」
[補注]①に類似する熟語としては「九死一生」があるが、これは屈原の「離騒」の「亦余之所善兮雖九死其猶未悔」に対する唐の劉良の注「九死無一生、未悔恨」に端を発するものと目され、中国では、「十死一生」の方が古いと考えられる。

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四字熟語を知る辞典 「十死一生」の解説

十死一生

ほとんど生きる見込みがないこと。また、そのような状態からかろうじて命が助かること。

[使用例] 三郎などは知るまいな、この勝家も、三十年の昔にはおれに手向かって、おれを十死一生の危ない目に会わしたのだぜ[正宗白鳥安土の春|1926]

[解説] 「九死一生」をさらに強調した語。

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