十八成浜(読み)くぐなりはま

日本歴史地名大系 「十八成浜」の解説

十八成浜
くぐなりはま

[現在地名]牡鹿町十八成浜

牡鹿半島の西岸きよ崎とさめ島に囲まれた湾の奥にあり、給分浜きゆうぶんはま鮎川浜あゆかわはまの中間に位置する。正保郷帳に田一一貫五二七文・畑一貫七四〇文とある。牡鹿郡遠島十八成組大肝入扱いで、大肝入の居住する村であった。十八成組は、大原浜おおはらはま・給分浜・新山浜にいやまはま泊浜とまりはま寄磯浜よりいそはま谷川浜やがわはまさめうら網地浜あじはま長渡浜ふたわたしはま鮎川浜・十八成浜の一〇浜一浦で構成される。十八成は、九九成くくなりと書いたとも伝えるが、詳細は地名由来とともに不明。藩政期を通じ蔵入地であり、元禄年間(一六八八―一七〇四)の「牡鹿郡万御改書上」によれば、田一二貫二三八文・畑一貫七六三文で、ほかに茶畑六八文・海上高四〇八文があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の十八成浜の言及

【砂】より

…この砂の上を歩いたり,棒などでつつくと,クックッとかブーというような大きい音を発するため,珍しい現象として古くから知られてきた。日本では宮城県気仙沼市大島の十八鳴(くぐなり)浜(九+九=十八),牡鹿半島の鳴(なら)浜や十八成浜,能登半島の泣(ごめ)き浜,丹後半島の琴引浜,島根県邇摩郡の琴ヶ浜など,いずれも発音特性にちなんだ名前が残っている。中国の敦煌にある鳴沙山も,その名は砂が鳴く現象からきている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」