十二階(読み)ジュウニカイ

デジタル大辞泉 「十二階」の意味・読み・例文・類語

じゅうに‐かい〔ジフニ‐〕【十二階】

冠位かんい十二階
凌雲閣りょううんかく通称

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精選版 日本国語大辞典 「十二階」の意味・読み・例文・類語

じゅうに‐かい ジフニ‥【十二階】

[1] 〘名〙
推古天皇の代に制定された、一二の位階。徳・仁・礼・信・義・智の六階に区別し、さらにそれぞれ大小を分け、全十二階とする。冠(かむり)と服の色を分け、区別した。十二の冠。→冠位十二階
高層建築で下から一二層目。
[2] 東京都台東区浅草公園にあった凌雲閣の通称。一〇階まで煉瓦(れんが)造りの八角形一二階建であった。高さ五二メートル。明治二三年(一八九〇)建造され、大正一二年(一九二三関東大震災のために半壊した。浅草十二階。
風俗画報‐一三三号(1897)浅草公園地理「凌雲閣 煉化造十二層の高塔なり、故に十二楷(カイ)とも云ふ」

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世界大百科事典(旧版)内の十二階の言及

【浅草】より

…1917年2月に誕生した浅草オペラは,新人田谷力三,藤原義江らの出現で人気を博した。凌雲閣(1890完成)は俗に十二階といわれた展望台兼レストランで,東京一の高さを誇る建物として連日見物客でにぎわった。関東大震災のとき,その凌雲閣は8階部分から折れ,浅草の大部分は焼失したにもかかわらず,浅草寺本堂以下の堂宇が焼け残ったことから,その霊験を信ずる人々と,六区の活動写真館街にくり出す人々で,昭和前期の浅草は身動きもできない雑踏の中にあった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」