十事非法(読み)じゅうじのひほう(英語表記)dasa vatthūni

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十事非法」の意味・わかりやすい解説

十事非法
じゅうじのひほう
dasa vatthūni

仏教用語。仏滅後 100年頃に跋闍子 Vajjiputtakaが戒律に反して主張した 10項目で,教団保守派がこれらを否定するために 700人の結集を行なったと伝えられる。その 10項目は,(1) 塩に限って保存してもよい,(2) 正午過ぎでも,ある一定時間なら食事をしてもよい,(3) 他の村では食後もさらに食べてよい,(4) 同じ境界内で別々に布薩を行なってもよい,(5) 他の教団で行なった羯磨 (かつま) を事後承認してもらってもよい,(6) 習慣的に行われていることは実行してもよい,(7) 酥,油,蜜などを混ぜたものは食事以外に飲んでもよい,(8) まだ完全な酒の状態になっていないものは飲んでもよい,(9) 坐具を自由な大きさにつくってもよい。 (10) 金銀をたくわえてもよい,である。ただし,伝承により,順序,内容などに多少の相違がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android