かつま【羯磨】
※醍醐寺本元興寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「又半月々々為白二羯磨一」
※
参天台五台山記(1072‐73)四「独胡五枚・羯磨四枚・輪一枚・橛八枚」
こんま【羯磨】
〘名〙 (karma の音訳。業
(ごう)、所作などと訳す) 仏語。受戒、懺悔など、戒律上の
行事を行なうときの所作をいう。
南都の
諸寺や真言宗では「こんま」、天台宗、浄土宗では「かつま」と読む。
※
東宝記(1352)一「
食堂〈略〉令
三衆共持
二菩薩戒
一、羯磨説戒皆作
二菩薩法事
一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「羯磨」の意味・読み・例文・類語
かつま【×羯磨】
《〈梵〉karmaの音写。行為・所作・業などと訳す》受戒・懺悔の儀式作法。
[補説]天台宗などでいい、真言宗や律宗など南都諸宗では「こんま」とよむ。
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の羯磨の言及
【密教法具】より
…密教法具は当初,最澄,空海,常暁,円行,円仁,恵運,円珍,宗叡の入唐八家によって請来されたが,おのおのに若干の異同があって整合性を欠く。この時代のものを大別すると金剛杵(こんごうしよ)と金剛鈴(こんごうれい)が主流をなし,異種に独鈷(どつこ)杵の端に宝珠をつけた金錍(こんべい)があり,そのほか輪宝(りんぼう),羯磨(かつま),四橛(しけつ),盤子(ばんし)(金剛盤),閼伽盞(あかさん),護摩(ごま)炉,護摩杓などがあるが,供養具まで完備するには至っていない。やがて,壇上に火舎(かしや)(香炉)を中心に六器(ろつき),花瓶(けびよう),飯食器(おんじきき)などをそろえた一面器,さらに四面器を配するなど,密法法具の整備拡充が進む。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」