医薬品と食品の飲み合わせ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

医薬品と食品の飲み合わせ

セントジョーンズワート(和名セイヨウオトギリソウ) この食品を、HIV感染症治療剤、免疫抑制剤、強心剤、経口避妊剤、気管支拡張剤抗てんかん剤などと併用すると、薬の効果が低下します。そのため厚生労働省では、これらの薬を使用中は、セント・ジョーンズ・ワートを含んでいる食品の摂取を控えるように通告しています。


食物繊維 食物繊維は、血糖降下作用や便秘治療の効果が期待されています。しかし、一方で小腸からの脂肪・脂溶性ビタミン・ミネラルや併用薬の吸収を阻害し、薬の治療効果を低下させるという指摘もあります。したがって、薬と食物繊維の摂取時間を2~4時間ずらすことが必要となります。


その他の食品 茶・卵・豆腐・牛乳・パンなどによる、鉄剤や抗不安剤(ジアゼパム製剤)の効力低下、気管支拡張剤(テオフィリン製剤)の副作用(頭痛)が指摘されています。とくに牛乳では、下剤、抗生物質、みずむし治療剤(グリセオフルビン製剤)、角化症治療剤(エトレチナート製剤)などの効力低下や吸収増大で中毒などをおこすおそれもあります。とくに注意するのは、抗凝血剤のワルファリンカリウム製剤と納豆やビタミンKを多く含む野菜との併用です。


 また、嗜好品しこうひんアルコール飲料は、多くの医薬品の効果の増減に影響を与えます。とくに向精神剤や降圧剤の副作用を増大させたり、抗てんかん剤や血糖降下剤の効力低下を引きおこすので、薬を服用したときには飲酒を控えるべきです。タバコは薬の代謝亢進こうしんさせる作用があり、感冒剤(かぜ薬)、鎮痛剤、抗精神病剤、抗うつ剤、抗不整脈剤、経口避妊剤などの効力を低下させるので、禁煙を心がけてください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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