北海道民権史料集(読み)ほつかいどうみんけんしりようしゆう

日本歴史地名大系 「北海道民権史料集」の解説

北海道民権史料集(民権史料集)
ほつかいどうみんけんしりようしゆう

一冊 永井秀夫編 北海道大学図書刊行会 昭和五一年刊

解説 北海道の自由民権運動についての初の総合的な史料収集の成果であり、その過程で得られた理論と多数の史料解説を含む、北海道政治史・言論史研究上の画期的著作である。編者を中心にした二〇人の編集委員が、三年間の討議と編集作業をへて完成した共同研究の成果でもある。対象となった民権運動の時期は、一八八〇年前後から九〇年代半ばであり、収集史料は言論・出版・集会結社の発展に関する基礎史料であるが、地域民権家の動向をよく紹介しており、大半のものが初めて公開されたものである。

構成 総論(北海道の自由民権運動)、第一編(新聞論説)、第二編(民権関係諸団体紙誌)、第三編(北海道議会開設運動)、第四編(言論取締文書)、第五編(言論・出版・集会・結社)、第六編(民権家論策、民権家経歴、年表)。このうち、第四編は道立文書館所蔵の開拓使・三県時代公文書(簿書)約三千冊から関係文書を採録したもので、民権運動を弾圧する側の史料であり、正確さと体系性に欠けるが、貴重な史料群である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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