ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北村久寿雄」の意味・わかりやすい解説
北村久寿雄
きたむらくすお
[没]1996.6.6. 東京
水泳選手。 1932年8月,高知商業学校3年生のときにロサンゼルス・オリンピック競技大会の 1500m自由形に出場,19分 12秒4のオリンピック新記録で優勝した。 14歳と 309日での優勝は,いまだにオリンピック個人種目 (水泳以外も含む) の男子最年少金メダリストとして記録に残る。この大会で,日本選手が競泳男子6種目中5種目の金メダル獲得という快挙を成し遂げた。翌 1933年には世界記録にあと0秒8に迫る日本記録を出したが,旧制第三高等学校受験に失敗したため引退。1年浪人の末入学を果たし,1941年東京帝国大学法学部を卒業。三井物産に入社後,労働省に移り中央労働委員会事務局次長,公共企業体等労働委員会事務局長を歴任。退官後は住友重機工業,住友セメントの役員を務めた。 1964年東京オリンピック競技大会で日本水泳連盟外国委員長を務め,のちに同連盟の常務理事・競泳委員長。 1984年には日本マスターズ水泳協会会長に就任した。 1932年ヘルムス賞受賞,1991年勲三等瑞宝章受章。
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