引退(読み)ひきのける

精選版 日本国語大辞典 「引退」の意味・読み・例文・類語

ひき‐の・ける【引退】

〘他カ下一〙 ひきの・く 〘他カ下二〙
① あいだをはなす。一方を遠ざける。また、二つのものを互いにはなす。
※栄花(1028‐92頃)御賀「次に又少しひきのけて、上の御前御料によそひたり」
② 引いてとりのぞく。どかす。
讚岐典侍(1108頃)上「ひとへを引かつくを御覧して引のけさせ給へば」
③ ひきしりぞかせる。退散させる。引きずり出す。
史記抄(1477)一一「扶而去也。ひきのけてさらせた」

いん‐たい【引退】

〘名〙 役職地位から退くこと。また、スポーツなどで現役から退くこと。
臥雲日件録‐宝徳二年(1450)八月七日「如瑞渓、則倦於応世、而自甘引退。其進退出入、不官家。欲出即出」
※金(1926)〈宮嶋資夫〉四「今年こそ引退(インタイ)させるのだ」 〔銭起‐晩帰藍田旧居詩〕

ひき‐の・く【引退】

[1] 〘自カ四〙 退く。退去する。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「義朝、清盛色をうしなひて引退(ヒキノキ)、所々にひかへたり」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒ひきのける(引退)

ひき‐しりぞ・く【引退】

[1] 〘自カ四〙 その場からしりぞき去る。ひきのく。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「全汝が敵対すべきにあらず。とうとう引退(ヒキシリゾ)け」
[2] 〘他カ下二〙 しりぞくようにする。しりぞき去らせる。退去させる。

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デジタル大辞泉 「引退」の意味・読み・例文・類語

いん‐たい【引退】

[名](スル)役職や地位から身を退くこと。スポーツなどで現役から退くこと。「スター選手が引退する」「引退興行」
[類語]退陣退職退任退役退官辞職辞任勇退下野リタイア離れるに下る辞める去る退しりぞ退抜ける離脱する脱退する離任する手を引く身を退く骸骨を乞う退会退団退部脱会脱党離党杯を返す

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普及版 字通 「引退」の読み・字形・画数・意味

【引退】いんたい

職を退いて隠居する。南朝宋・謝荘〔大司馬江夏王義恭に与ふる牋〕(さき)にの初めて開くを以て、未だするに遑(いとま)あらず。

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