勝間駅(読み)かつまのえき

日本歴史地名大系 「勝間駅」の解説

勝間駅
かつまのえき

周防国府が置かれた防府平野の南に位置する駅で、東は平野ひらの(現新南陽市富田付近)、西は八千やち(現山口市鋳銭司付近に比定)に継いだが、その正確な位置については二説がある。一は海岸線の復元、条里地割、国府との関係などを勘考した説で、山陽道が国府域に入る現牟礼の岸津むれのきしづ付近を比定。二は国府域南外れの東佐波令ひがしさばりよう勝間付近である。遺名からは勝間浦・勝間などの地がそれらしく、安和年間(九六八―九七〇)に周防鋳銭司長官となって赴任した清原元輔の家集にも

<資料は省略されています>

と詠まれるように、浦にも近い位置として第二説がよいように思われるが、この地は古代の山陽道とされる古道からは約三町ほど南に離れており、疑問が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報