割竹の(読み)さきたけの

精選版 日本国語大辞典 「割竹の」の意味・読み・例文・類語

さきたけ‐の【割竹の】

① 割った竹が向かい合わせにならないで、互いにうしろ向きになるところから、「背向(そがい)」にかかる。
万葉(8C後)七・一四一二「吾が背子をいづち行かめと辟竹之(さきたけの)背向(そがひ)に寝しく今し悔しも」
② 割った竹がよくたわむところから、たわむさまの意の「とをを」にかかる。
古事記(712)上「口大の尾翼鱸(をはたすずき)、さわさわに、控(ひ)き依せ騰(あ)げて、打竹之(さきたけの)、とををとををに、天の真魚咋(まなぐひ)、献る」
[補注](1)②の「古事記」例の原文「打竹之」の「打」字は、「拆」の誤字。また、この「さきたけ」は、割った竹で作った簀の意で枕詞としないという説もある。
(2)①のかかり方については、「さきたけの」の「さき」と、「そがい」の「そが」の類似音によるとする説、割った竹が再びもとにもどらないところからとする説などもある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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