判授(読み)ハンジュ

デジタル大辞泉 「判授」の意味・読み・例文・類語

はん‐じゅ【判授】

律令制叙位方法の一。奏聞そうもんを経ないで太政官だいじょうかんから直接に叙位を行うもの。外八位以下はこれによる。→奏授勅授

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精選版 日本国語大辞典 「判授」の意味・読み・例文・類語

はん‐じゅ【判授】

〘名〙 令制で、叙位の方法の一つ文官式部省武官兵部省女官中務省詮議によって、奏聞を経ないで太政官から直接に授けるもの。外八位および内・外・大・少初位はこれによる。→勅授奏授
令義解(718)選叙「外八位及内外初位。皆官判授」

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世界大百科事典(旧版)内の判授の言及

【位階】より

…位階の昇進にあたっては,毎年の勤務評定の結果を一定年数集積し,その総合成績によって昇進階数が決定されるしくみになっていたが,実際に計算どおりの昇叙が行われたのは六位以下の場合にかぎられ,五位以上の昇進には天皇の意向が強く反映した。授位手続上,五位以上は勅授,内六位~内八位までは太政官奏による奏授,外八位および初位は太政官の判定による判授とされた。
[位階制の変化]
 大宝令には五位以下の位について,外位(げい)が設けられていたが,これは,地方採用を原則とする官職に就く者を対象としたものであった。…

【位記】より

…律令官人は罪を犯して除名される場合は位記がことごとく破られ,官当などでは位記を毀する(原簿に毀字を注し外印を押す)ことで実刑にかえるなど,位記が重要な役割をはたした。養老の公式令によれば位記には勅授,奏授,判授の別があり,それぞれに書式が定められた(図)。勅授とは勅によって五位以上の位階を授けることであり,奏授とは太政官が奏聞して六位以下を授けること,判授とは式部省(兵部省)が判定して外八位以下を授けることをいう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」