刈萱・苅萱(読み)かるかや

精選版 日本国語大辞典 「刈萱・苅萱」の意味・読み・例文・類語

かる‐かや【刈萱・苅萱】

[1] 〘名〙 (古くは、「刈る草(かや)」の意から、屋根ふきのため刈り取る草の総称) オガルカヤとメガルカヤをさし、主として、メガルカヤのことをいう。《季・秋》
※枕(10C終)六七「草の花は なでしこ。〈略〉あさがほ。かるかや
※俳諧・犬子集(1633)九「爰かしこあはするはただみくさにて 桔梗かるかや蘭の色色〈一正〉」
[2] (苅萱)
[二] 謡曲。四番目物。廃曲。亀阿彌作。別名、禿高野(かむろこうや)。松若と母は父苅萱を尋ねて高野山へ行くが、女人禁制のため、松若のみ山に上る。松若は偶然父に会うが、それと知らずに戻る。この間に母が死に、これを聞いた苅萱は山を下り、父と名乗って母を弔う。
[三] 説経節。三段。作者未詳。江戸時代初期成立。謡曲「苅萱」に高野山苅萱堂縁起、善光寺親子地蔵縁起、法然上人の縁起などを加えて作られたもの。五説経の一つ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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