精選版 日本国語大辞典 「切替・切換」の意味・読み・例文・類語
きり‐かえ ‥かへ【切替・切換】
〘名〙
① 続いているもの、つながっているものを切って、別のものに変えること。それまでの制度、慣習などを改めること。また、従来とは別のものへ転換すること。
※上杉家文書‐天正一〇年(1582)八月二八日・上杉定勝自筆古案集「今度出馬之上者、則可任先規哉与思候処に、板倉才覚之分者、案に相違候而、切替新発田一味之由候」
※トカトントン(1947)〈太宰治〉「その頃ちゃうど円貨の切り換へがあり」
② 改革すること。
③ 「きりかえはた(切替畑)」の略。
④ 江戸時代、過去数年間の取米を平均して定めた免(租率)によって、一定年間の年貢を徴収する定免(じょうめん)の期間が過ぎ、村方からの願いによって、さらにその期間を延長すること。継年期。
※財政経済史料‐五・租税・賦課法・嘉永元年(1848)一一月三日「新規定免又は切替等之儀、兼而被二仰渡一候通、不レ遅様御吟味之上、来四月中迄伺書御差出可レ有レ之候」
⑤ 証書などの期限を書き替えること。書き替え。
きり‐か・える ‥かへる【切替・切換】
〘他ア下一(ハ下一)〙 きりか・ふ 〘他ハ下二〙
① 切り取ってかえる。他のものと入れ替える。
② 今までのものをやめて、他のもの、新しいものに変える。連続してきた物事を断ち切って、別の物事に変える。
※小津桂窓宛馬琴書簡‐天保八年(1837)八月一一日「この書、久しく牧之にたのまれ候へ共、さるいとま無之故、四、五ヶ年前に無拠著述を断り候に付、牧之、切かえて京山にたのみ候」
③ 証書などを書き替えて効力を更新する。
※洒落本・契情買虎之巻(1778)一「のこりで二七日の日なしをきりかいておきやれ」
④ 両替えをする。兌換(だかん)する。
[補注]③の洒落本の例は「きりかえて」のなまった形。
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