切下(読み)きりさげる

精選版 日本国語大辞典 「切下」の意味・読み・例文・類語

きり‐さ・げる【切下】

〘他ガ下一〙 きりさ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 上から下へ切る。刃物などで切りおろす。
太平記(14C後)一七「源八甲(かぶと)吹返(ふきがへし)を目の上へ切さげられて」
② 切って下げる。切って垂らす。髪の毛についていうことが多い。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一〇「丈にも余る黒髪を根より弗(ふっ)つと切下(キリサゲ)たる額に」
③ 現にあるものより、あるいは、当然あるべきところより下げる。低くする。
申楽談儀(1430)勧進舞台、翁の事「大勢の座は、舞台よりはいささかきりさげて、畳を敷き」
物価水準や、貨幣価値を低くする。
ノリソダ騒動記(1952‐53)〈杉浦明平〉一「他の仲買の五割増から倍の値段をつける、が相場が下がれば公的値段を勝手に切りさげてしまう」

きり‐おろ・す【切下】

〘他サ五(四)〙
① 切って下に落とす。切り落とす。
万葉(8C後)一五・三六〇三「青楊(あをやぎ)の枝伎里於呂之(キリオロシ)斎種(ゆだね)(ま)きゆゆしき君に恋ひわたるかも」
② 上から下へ切る。きりさげる。
③ (魚、鳥、獣の肉などを)切りさく。おろす。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉一月暦「料理人は此時切(キ)り下(オ)ろした鯉の尾を立てて、魚が天に登らんとする形を示す」

きり‐さげ【切下】

〘名〙
① 切り下げること。
報知新聞‐明治二八年(1895)八月二五日「お煙草盆、切り下げ、櫛巻き等の外、髪結ひの手に掛るもの大凡左の如し」
③ 物価の水準や、貨幣の価値を低くすること。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉I「一九四九年九月のポンド切下げ(三〇・五%)」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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