出雲鍬(読み)いずもぐわ

日本歴史地名大系 「出雲鍬」の解説

出雲鍬
いずもぐわ

三巻 編著者不明

成立 延享―寛延年間か

写本 島根県立図書館など

解説 出雲国の代表的地誌。松江藩の藩命によって多数の人が編纂したと察せられるが、藩士柳生軒虎千なる者が一人で記述したともいわれる。巻数は諸本まちまちであるが、島根県立図書館本は三巻本で、各郡構成をとっている。内容は「懐橘談」「雲陽誌」など地誌の記事、その他の伝説・詩歌俳句系図・紀行文などの原文集録記載、「出雲国風土記」の神社とその関係縁起、社殿の構造、境内・社格・社領などを列記し、さらに山・川・池・御立山・島など自然地名の記述もあり、挿絵随所に入っている。全体的に引用によって構成される。「庭訓往来」に出雲国の特産として記載される出雲鍬をもって書名としたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報