冠稲荷神社(読み)かんむりいなりじんじや

日本歴史地名大系 「冠稲荷神社」の解説

冠稲荷神社
かんむりいなりじんじや

[現在地名]太田市細谷

細谷ほそや地区の南にあり、日本七社稲荷の一つに数えられる。祭神は宇迦之御魂命ほかで旧村社。社伝によれば天治二年(一一二五)新田義重の父源義国の創建という。承安四年(一一七四)源義経が奥州下向の折、当社に宿泊。神殿の奥に霊光を見るという奇縁あって、冠の中に奉持した伏見稲荷など二社の分霊・神札を当社に納め、旅の安全を祈ったのが社名の由来との伝承があり、開運・縁結び・豊作に利益があるとされる。近世は細谷村教王きようおう寺が別当寺であった。壁面の彫刻が見事な本殿は三手先造で、元禄三年(一六九〇)の再建。境内の聖天宮は八棟造様式で竜の彫刻が施される。幣殿内部には俳額・算額・絵馬などが数多くあり、文化一一年(一八一四)小俣おまた(現栃木県足利市)の和算家大川栄信(栄貞)の奉納した最上流算額は同九年に奉納された関流算額二面への学問的挑戦とも考えられていて、三面とも県指定重要文化財。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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