六安(読み)りくあん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「六安」の意味・わかりやすい解説

六安
りくあん / ルーアン

中国、安徽(あんき)省西部、淮河(わいが)の支流河(ひが)の中流域にある地級市。3市轄区、4県を管轄する(2016年時点)。人口711万8446(2010)。秦(しん)代に六県が置かれ、唐代に盛唐県、宋(そう)代に六安県に改められ、明(みん)・清(しん)代は六安州となった。1912年にふたたび県に復し、1978年に市が分離設立された。春秋戦国時代から江淮(こうわい)地方(揚子江(ようすこう)と淮河の間にある地域)の要地で、周辺には古戦場が多い。周囲の農村では米、アサ、アイなどを産するが、茶は「六安茶」として有名で中国各地へ移出される。また、羽毛の産地および集散地としてもよく知られている。市南西部は大別山の山岳地帯で、中華人民共和国成立後、仏子嶺(ぶっしれい)、梅山(ばいざん)などのダムと史杭灌漑(ひしこうかんがい)施設が建設され、山間部の洪水は制御されるようになった。

[林 和生・編集部 2017年7月19日]

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