全日本空輸(株)(読み)ぜんにほんくうゆ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全日本空輸(株)」の意味・わかりやすい解説

全日本空輸(株)
ぜんにほんくうゆ

日本の航空会社。国内線を中心として発展してきた。正しくは「ぜんにっぽんくうゆ」と読む。略称全日空、英語名はAll Nippon Airways、略称ANA(エーエヌエー)。1952年(昭和27)に東京と大阪で設立された日本ヘリコプター輸送と極東航空が58年に合併し、現在の全日本空輸となった。1959年に東京―大阪直行便を運航して国内幹線に進出、64年には東京―札幌間にボーイング727を就航させジェット化時代を迎え、逐次路線を拡大し、92年(平成4)には国内線累計旅客数5億人を達成、2008年現在では国内124路線を運航している(2007年の年間旅客数は世界第11位、日本では第1位)。

 1971年香港(ホンコン)向けに初めて開いた国際チャーター便は、その後、東南アジア、中国、グアムハワイなどに路線を広げた。この間、経営の多角化にも積極的で、1961年に賃貸ビル等の不動産事業を行う全日空ビルディングの設立をはじめ、全日空商事(1970)、旅行業の全日空ワールド(1972)、ホテル・観光・レジャーなどの子会社を統括する全日空エンタプライズ(1973)、エアーニッポンANK、1974)、日本貨物航空(NCA、1978)、全日空システム企画(1986)、エアージャパン(AJX、1990)などを設立して本格的多角化に乗り出し、全日空グループ(ANAグループ)を形成した。1985年12月の航空業界の規制廃止に伴い、86年3月最初の国際定期便を成田―グアム間に、さらに7月成田―ロサンゼルス間、成田―ワシントン間にも就航させ、その後も路線を拡大し、2008年8月現在、国際線39路線、就航都市は海外26である。また、1999年には国際的な航空連合のスターアライアンスに加盟した。従業員数1万3120人、資本金1600億円(2008)、売上高1兆4878億円(2008。連結ベース)。

[中村清司]

『ANA50年史編集委員会編『大空への挑戦――ANA50年の航跡』(2004・全日本空輸)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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