優婆離(読み)うばり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「優婆離」の意味・わかりやすい解説

優婆離
うばり

仏陀(ぶっだ)(釈迦(しゃか))の十大弟子の一人。パーリ語ウパーリUpāliの音写。優波利、優波梨などとも書かれ、「うぱり」とも読む。カピラバストゥのシャカ人に仕える理髪師であったが、アヌルッダ(阿那律(あなりつ))などがアヌピヤーに滞在中の仏陀から得度を受けようとしたときに同行し、彼らより先に得度した。仏陀が律蔵(りつぞう)を全部彼に教えたといわれるほどに律に詳しく、「持律第一」といわれ、僧団の種々の事件に際してこれをみごとに調停し、仏陀の賞賛を得た。また第1回結集(けつじゅう)においては、アーナンダ阿難)が法(ダルマ)をまとめたのに対し、律(ビナヤ)をまとめるのに貢献した。

高橋 壯 2016年11月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android