僭上(読み)センジョウ

デジタル大辞泉 「僭上」の意味・読み・例文・類語

せん‐じょう〔‐ジヤウ〕【×僭上】

[名・形動]《古くは「せんしょう」とも》
身分を越えて出過ぎた行いをすること。また、そのさま。「僭上な振る舞い」
分を過ぎたぜいたくをすること。また、そのさま。
「堅儀な旧家程衣食住の奢りを慎み―のそしりを受けないようにし」〈谷崎春琴抄
大言壮語すること。また、そのさま。
色里で―言ふ事は治兵衛めにはかなはねども」〈浄・天の網島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「僭上」の意味・読み・例文・類語

せん‐しょう ‥シャウ【僭上】

〘名〙 (形動) (「せんじょう」とも)
① 臣下、使用人などが、身分を越えて長上をしのぐこと。分をわきまえずにさし出た行ないをすること。また、そのさま。
※本朝文粋(1060頃)一・孫弘布被賦〈源英明〉「及彼潔身於相府、流誉於明代、管仲之有三帰、僭上可嫌」
太平記(14C後)二三「此の中夏の儀蛮夷僭上(センシャウ)無礼の至極是非に及ばず」 〔漢書‐食貨志上〕
② 分を過ぎた贅沢をすること。おごりたかぶること。みえをはること。また、そのさま。過差。
※仮名草子・犬枕(1606頃)「はなしにしまぬ物 一 せんしゃうの事」
※評判記・色道大鏡(1678)一三「惣じて当郭の傾城の心を量るに、大かたうは気にて、僣上(センシャウ)をもととす」
③ 大言壮語すること。ほらを吹くこと。また、そのさま。
咄本・当世軽口咄揃(1679)一「物ごと専少(センシャウ)ゆいたがる江戸商人」

せん‐じょう ‥ジャウ【僭上】

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