倒・斃(読み)たおれる

精選版 日本国語大辞典 「倒・斃」の意味・読み・例文・類語

たお・れる たふれる【倒・斃】

〘自ラ下一〙 たふ・る 〘自ラ下二〙
① 立っている状態が保てなくなって、横になる。
古事記(712)中「其の船の中の簀椅(すばし)に塗りて、蹈(ふ)みて仆(たふ)るべく設(ま)けて」
古本説話集(1130頃か)二七「松の木も、ひととせの風にたふれにしかば」
② (病気・災害などによって)からだがそこなわれて伏す。わずらう。また、死ぬ。
※十巻本和名抄(934頃)七「斃 四声字苑云斃〈毗祭反 訓多布流〉死也」
侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉政治的天才「如何なる政治的天才も忽ち非命に仆れる外はない」
③ 屈する。折れる。気持が折れる。
紫式部日記(1010頃か)消息文「今やうの君達といふもの、たふるるかたにて、あるかぎりみなまめ人なり」
④ ほろびる。くつがえる。
※高野本平家(13C前)一「平氏たふれ候ぬと申されける」
※第2ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉内閣打倒「今の政府はそう簡単に倒れるものではない」
損失が多くて経営・家計などが立ちゆかないようになる。破産する。倒産する。
日葡辞書(1603‐04)「シンシャウガ tauoruru(タヲルル)

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