倉賀野村(読み)くらがのむら

日本歴史地名大系 「倉賀野村」の解説

倉賀野村
くらがのむら

[現在地名]高崎市倉賀野町・宮原町みやはらちよう

東南流するからす川の左岸際から北方へ向けて大きく広がる沖積平野に位置する。群馬郡に属し、北は矢中やなか中里なかざと二村、西は下佐野しもさの村。「和名抄」の群馬郡小野おの郷に含まれたと考えられ、長元三年(一〇三〇)「交替実録帳」群馬郡の項に「小野院 北一板倉壱宇 東一(倉脱カ)壱宇」とあり、この郡倉の所在にちなんでのちに倉賀野とよぶようになったともいわれる。「吾妻鏡」建久元年(一一九〇)一一月七日条に倉賀野三郎(高俊)の名がみえ、以後中世を通じて倉賀野氏が当地を領した。「宴曲抄(正和三年八月)に鎌倉から信濃善光寺に至る鎌倉街道の道中に「倉賀野」がみえる。永禄五年(一五六二)九月一八日の武田信玄書状写(小田部庄右衛門氏所蔵文書)には、武田軍が攻撃した郷村の一つに倉賀野があげられている。

江戸時代には中山道の宿として、また烏川に江戸との物資輸送の河岸もあって繁栄し、中山道からは日光例幣使街道が分岐した。「寛文朱印留」に村名がみえ、高崎藩領。寛文郷帳では田方一千三八六石余・畑方五六〇石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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