保守主義の原則(読み)ほしゅしゅぎのげんそく(英語表記)conservatism convention

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保守主義の原則」の意味・わかりやすい解説

保守主義の原則
ほしゅしゅぎのげんそく
conservatism convention

日本の企業会計原則の一般原則の一つ。安全性の原則,慎重の原則とも呼ばれる。この原則は真実性の原則に反するという批判があるように,論理的というより企業の維持のための財務的・政策的見地から要請されるものであり,「予想損失は計上するが,予想利益は計上しない」というのが,この原則の基本的な指針である。現行会計制度における具体的適用としては,収益面において資産原価で測定し,収益計上に実現主義を採用し,未実現利益または評価益の計上を排除していること,費用面において棚卸資産有価証券などの資産に低価主義を適用し,評価損を計上すること,貸倒損失の見積り計上などがある。しかし利害関係者の判断を誤らせるような過度な適用は慎むべきである。

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