依依(読み)イイ

デジタル大辞泉 「依依」の意味・読み・例文・類語

い‐い【依依】

[ト・タル][文][形動タリ]思い慕うさま。離れがたいさま。
アリスに別れ愁心―として鬱情を漏らすに由なかりしも」〈織田訳・花柳春話

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精選版 日本国語大辞典 「依依」の意味・読み・例文・類語

い‐い【依依】

〘形動タリ〙
① 枝のしなやかなさま。一説に、盛んに茂るさま。
文華秀麗集(818)中・奉和春閨怨〈巨勢識人〉「閑庭点点蒼苔駮、暗牖依依緑柳低」 〔詩経‐小雅・采微〕
② 離れるに忍びないさま。恋い慕うさま。
懐風藻(751)和藤江守詠裨叡山先考之旧禅処柳樹之作〈麻田陽春〉「日月荏去。慈範独依依」
※和漢朗詠(1018頃)上「二星たまたま逢へり、いまだ別緒依依(いい)の恨を敍べざるに〈小野美材〉」 〔韓詩外伝‐二〕
③ 遠くてぼんやりしているさま。ほのかなさま。
※芝軒吟藁(1719)楼上遠望「百尺楼台坐夕暉、故山煙樹遠依依」 〔陶潜‐帰田園居詩〕

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普及版 字通 「依依」の読み・字形・画数・意味

【依依】いい

しなやか。ほのか。晋・陶潜〔園田の居に帰る〕詩 曖曖たり、人の村 依依たり、墟里

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