侘事・侘言・詫言(読み)わびごと

精選版 日本国語大辞典 「侘事・侘言・詫言」の意味・読み・例文・類語

わび‐ごと【侘事・侘言・詫言】

〘名〙 (古くは「わびこと」)
① つらがって嘆く事柄。思いなやむ事柄。また、そのことば。気落ちしていう恨みがましいことば。
源氏(1001‐14頃)藤袴「さまざまなる人々の御わびこともおほかり」
② ことわりをすること。辞退すること。弁明または抗議すること。また、そのことば。
※東寺百合文書‐を・宝徳二年(1450)九月二日・三浦為継書状「此数ケ年隠田子細、社家へ伺候て、堅侘事可仕候」
咄本・軽口露がはなし(1691)五「此人にも番させんといふに、迷惑に思ひ、色々わびごとを申けるは」
窮状を訴えること。嘆願すること。請願
※親元日記‐文明一三年(1481)五月二一日「去年者使者僧路次難儀之由侘事申之間不被渡遣之」
※天草本伊曾保(1593)馬と驢馬との事「ロバカラ ウマニ vabicotouo(ワビコトヲ) シテ ユウ ヤウワ〈略〉ワレヲ タスケラレイ カシト」
④ (詫言) 自分の過失などをわびること。あやまること。また、そのことば。わび。謝罪。
御伽草子二十四孝(室町末)「驚ひてわびことをする間」
※虎寛本狂言・武悪(室町末‐近世初)「幾重にも御詫言を申し上げまする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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