驢馬(読み)ろば

精選版 日本国語大辞典 「驢馬」の意味・読み・例文・類語

ろ‐ば【驢馬】

〘名〙 ウマ科の家畜原種アフリカノロバ。馬に似ているが肩高約一メートルと小形。耳は馬より長いのでウサギウマともいう。尾は牛に似て下部にだけ房毛があり、くびは比較的短い。毛色黄褐色灰黄色などで肩や四肢に暗色の条斑がある。世界各地で飼育。粗食・労役に耐えるので荷役用などとする。日本には明治以後輸入された。ドンキー。ろ。〔文明本節用集(室町中)〕 〔漢書西域伝・上・鄯善国〕

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デジタル大辞泉 「驢馬」の意味・読み・例文・類語

ろ‐ば【×驢馬】

ウマ科の哺乳類。肩高約1.2メートル。体形は馬に似るが、たてがみは立っていて耳が長く、尾の先に房毛をもつ。乾燥地に生息。野生種アフリカノロバが古代エジプト時代から家畜化され、改良の途中でアジアノロバも関与したと考えられる。体は頑丈で粗食・労役に耐える。ドンキー。うさぎうま。
[類語]牡馬ぼば牝馬ひんば子馬小馬若駒名馬麒麟駿馬優駿駄馬駑馬どば白馬青馬軍馬競走馬馬車馬輓馬ばんば引き馬裸馬放れ馬暴れ馬荒馬奔馬種馬当て馬騾馬らば

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百科事典マイペディア 「驢馬」の意味・わかりやすい解説

驢馬【ろば】

詩雑誌。1926年4月―1928年5月,全12冊。驢馬発行所発行。室生犀星のもとに集まった中野重治堀辰雄窪川鶴次郎宮木喜久雄,平木二六らによって創刊された同人雑誌レーニンハイネを訳して革命詩,革命詩論を発表する中野と,コクトーアポリネールジャムの詩,詩論を訳して20世紀的芸術革命を志向する堀という二つの強い個性が同居する。堀を除く同人たちが革命運動に参加していったことにより,終刊。
→関連項目佐多稲子

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普及版 字通 「驢馬」の読み・字形・画数・意味

【驢馬】ろば

ろば。ろばと馬。〔世説新語、排調〕令()・王承相(導)、共に姓族の先後を爭ふ。王曰く、何ぞ王と云はずして、王と云ふやと。令曰く、譬へば驢馬と言ひて、馬驢と言はざるも、驢、(なん)ぞ馬にらんやと。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「驢馬」の意味・わかりやすい解説

驢馬
ろば

詩雑誌。1926年(大正15)4月~28年(昭和3)5月。全12冊。編集兼発行人窪川鶴次郎(くぼかわつるじろう)、11号以後宮木喜久雄。室生犀星(むろうさいせい)のもとに集まっていた中野重治(しげはる)、堀辰雄(たつお)、窪川、西沢隆二、宮木、平木二六(ひらきじろう)らが創刊した同人雑誌。誌名は堀の提案により、表紙題字は芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の主治医で俳人の下島空谷(しもじまくうこく)の揮毫(きごう)。伝統文学の良質部分を受け継ぎつつも、やがて革命文学を担う中野と20世紀文学を担う堀との同居が、大正末から昭和初期への同人雑誌群のなかでも重要な史的位置を占めた。中野の詩「歌」、評論「詩に関する二三の断片」や、堀のコクトー、アポリネール、フランシス・ジャムなどの翻訳詩や詩論のほか、犀星を介して芥川、萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)、佐藤春夫ほかも寄稿。また準同人格で田島(佐多)いね子も詩を発表している。中野を筆頭に、堀を除く他の同人たちはのちに革命文学・運動に参加していった。復刻版(1960・日本近代文学研究所)がある。

[大塚 博]

『古林尚「驢馬」(『文学』1958年11月号所収・岩波書店)』

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改訂新版 世界大百科事典 「驢馬」の意味・わかりやすい解説

驢馬 (ろば)

詩雑誌。1926年(大正15)4月~1928年5月。全12冊。編集発行人は窪川鶴次郎,第11号から宮木喜久雄。発行は驢馬発行所。室生犀星のもとに集まった中野重治,堀辰雄,窪川鶴次郎,西沢隆二,宮木喜久雄,平木二六(途中で脱退)らで出した同人誌。途中から太田辰夫(途中死去),渡辺亮介,葛巻義敏らが同人として,また田島(窪川)いね子が準同人格で加わった。詩雑誌として多くの詩,詩論,翻訳,小説などを載せたが,なかでも中野重治の詩〈夜明け前のさよなら〉ほかのプロレタリア詩や詩論,また堀辰雄のコクトー,アポリネールらの20世紀芸術作品の翻訳などが目だつ。そのほか犀星,芥川竜之介ら多数が寄稿し,昭和初期文学史上にユニークな足跡を残した。
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動植物名よみかた辞典 普及版 「驢馬」の解説

驢馬 (ロバ)

動物。ロバ類の総称

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