作替(読み)つくりかえ

精選版 日本国語大辞典 「作替」の意味・読み・例文・類語

つくり‐かえ ‥かへ【作替】

〘名〙
① つくりかえること。また、つくりかえたもの。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「お政の言ったのは全く其作替(ツクリカヘ)で」
② 特に、歌曲演劇小説などで、在来の曲・筋・内容を用い、それに模してつくったもの。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六「物狂ひなら四ツ谷怪談の作替か」
政所壁書‐文正元年(1466)五月二六日「然号作替、以利平加本銭、恣銭主等改借状云々」

つくり‐か・える ‥かへる【作替】

〘他ア下一(ハ下一)〙 つくりか・ふ 〘他ハ下二〙 前のものの代わりに新しくつくる。新しくつくって前のものととりかえる。また、すでにあるものに手を加えて別なものをつくる。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「げにいかさまにつくりかへてかは、劣らぬ御有様は、世に出でものし給はまし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の作替の言及

【借用状】より

…近世に入ると,幕府は利子統制を行い,年利1割5分ないし2割と定めたが,現実にはそれ以上の高利が盛行した。また古代・中世では,利子が元本と同額に達した場合,貸借契約が解除されるのを原則とし,〈作替(つくりかえ)〉と称して,元利合計額を新元本として,新規契約を取り結ぶ複利計算法は禁止されていた。このような計算法は近世になるとしだいに行われるようになった。…

※「作替」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」