何心無(読み)なにごころない

精選版 日本国語大辞典 「何心無」の意味・読み・例文・類語

なにごころ‐な・い【何心無】

〘形口〙 なにごころな・し 〘形ク〙
① 何の深い意図・配慮もない。なにげない。
※宇津保(970‐999頃)吹上下「たまはりてなに心なく掻きならすに、天地ゆすりて響く」
明暗(1916)〈夏目漱石〉一五「万年筆で何心(ナニゴコロ)なく二三行書きかけた時」
② 無邪気である。また、無心である。
源氏(1001‐14頃)松風「うち笑みたる顔の、なに心なきが、愛敬づき、匂ひたるを」
③ 転じて、厚かましく平気である。
浮世草子西鶴織留(1694)三「世を富貴に暮せし人は、人の金銀取乱せしほとりへも何心なく居ながれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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