住う(読み)すまう

精選版 日本国語大辞典 「住う」の意味・読み・例文・類語

すま‐・う ‥ふ【住う】

[1] 〘連語〙 (動詞「すむ(住)」の未然形に反復、継続を表わす助動詞「ふ」の付いたもの)
① ひき続いてすむ。すみ続ける。
万葉(8C後)五・八八〇「天ざかる鄙に五年周麻比(スマヒ)つつ都のてぶり忘らえにけり」
② ある状態を保ち続ける。
※続日本紀‐天平宝字六年(762)六月三日・宣命「かくして今の帝と立てて湏麻(スマヒ)くる間に」
[2] 〘自ワ五(ハ四)〙 ((一)の「ふ」が接尾語化したもの)
① そこにいついてくらす。住む。一緒に暮らす。
※伊勢物語(10C前)二一「思ふかひなき世なりけり年月をあだにちぎりて我やすまひし」
※大唐西域記長寛元年点(1163)四「国の中に恩に感じて慕ひ従(つか)ふる者数万余人、海島に棲竄(スマフ)
芝居の舞台で、役者がすわりこむ。着座する。座を占める。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「花道吉例の所にすまふ」
③ 住む人の使い勝手を考える。
日葡辞書(1603‐04)「ヨウ sumǒta(スマウタ) イエ〈訳〉よく設計してある家」

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