位倍庄(読み)いへのしよう

日本歴史地名大系 「位倍庄」の解説

位倍庄
いへのしよう

現西宮市南東部にあった武庫むこ郡の庄園。井部・井倍・位陪・伊倍などとも書く。「長秋記」元永二年(一一一九)九月四日条によると広田ひろた社参詣に向かった源師時やその子息らが雨のため「井(部カ)庄」に宿したとある。「兵範記」保元二年(一一五七)三月二九日条によると、位陪庄は左大臣藤原頼長の所領であったが、保元の乱で没官され後白河天皇後院領となっている。以後皇室領となり、嘉元三年(一三〇五)七月二六日の亀山上皇処分状案(亀山院御凶事記)により位倍庄は孫の後二条天皇に譲られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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