会計機械(読み)かいけいきかい

改訂新版 世界大百科事典 「会計機械」の意味・わかりやすい解説

会計機械 (かいけいきかい)

自動的計算記録機能によって,会計帳表や統計諸表に機械的記帳を行う機械。記帳を中心とした記帳会計機コンピューターに近づけた電子会計機がある。記帳会計機は1948年ごろ日本でも使われはじめている。データ発生ごとに記帳できる元帳記帳,融通性のある作表能力,複写転記能力,小回りのきく演算(加減算と乗算のみ)などの特徴をもっており,経理事務,給与計算,株式配当計算などの集計事務の機械に利用された。それまでのそろばんによる手計算と,転記の繰返しといった事務処理のパターンを大きく変革させた。しかし昭和30年代のコンピューターの普及により,歯車式の会計機からダイオードトランジスターなどによる電子的機構を採用した電子会計機が開発されるようになった。電子会計機は,歯車式の記帳会計機に比較して二つの特徴がある。その一つは内部機構が電子化されたことで合計器の個数が増え,比較,判断,抽出,分類などの高度な処理が可能になったこと。もう一つは入出力装置をもったことである。せん孔カードやせん孔テープ,磁気元帳などがそれで,とくに元帳記帳の自動化に磁気元帳が使われ,当時は事務処理革新の新兵器とさえ言われていた。この電子会計機は,大型コンピューターで処理するには事務量が少なく,記帳会計機では処理しにくいといった事務処理分野をカバーするため多く利用された。当時,これをシステムマシンとも称していた。最近ではオフィスコンピューターの普及により,ほとんど姿を消している。
コンピューター会計
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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