伊藤仁斎宅〈古義堂〉跡ならびに書庫(読み)いとうじんさいたく〈こぎどう〉あとならびにしょこ

国指定史跡ガイド の解説

いとうじんさいたく〈こぎどう〉あとならびにしょこ【伊藤仁斎宅〈古義堂〉跡ならびに書庫】


京都府京都市上京区東堀川通出水下ルにある邸宅跡。江戸初期の漢学者、伊藤仁斎の住宅で、仁斎の学問にちなんで古義堂という。現在の建物は1890年(明治23)に再建した2階建てで、土蔵造りの書庫は仁斎が存命当時のものである。1627年(寛永4)、仁斎は篤学だった父の了室(りょうしつ)と連歌師里村紹巴(じょうは)の孫である母の間に生まれた。そもそもは朱子学を修めたが、のちに古義学を唱え、1705年(宝永2)に没するまでの約40年間は私塾を開いて教授に努め、門下生は3000人を数えた。当時は京都を代表する私塾としてその名も高く、長男の東涯(とうがい)が父の学問を受け継ぎ、仁斎と東涯の学派を古義学派、別名堀川学派と呼び、全国各地から堀川の流れを慕って学徒が集った。子孫は長く学派を伝え、1662年(寛文2)~1906年(明治39)まで244年に及んだ。1922年(大正11)に国の史跡に指定された。古義堂の蔵書書画など約5500点、約1万冊は、1941年(昭和16)に天理大学附属天理図書館に収蔵された。JR東海道新幹線ほか京都駅から市バス「堀川下立売(しもだちうり)」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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