伊東志摩守日記(読み)いとうしまのかみにつき

日本歴史地名大系 「伊東志摩守日記」の解説

伊東志摩守日記
いとうしまのかみにつき

一冊

別称 伊東志摩守自筆日記・累歳録抄 伊東志摩守祐賢著

写本 東京大学史料編纂所・県立図書館

解説 伊東志摩守祐賢の父祐豊は三代飫肥藩主伊東祐久の弟。祐豊は寛永一三年祐久より三千石を分知され旗本となった。この日記は祐賢が襲封した寛文八年八月から四三歳で没する前年の宝永四年までの記録であるが原本は残っていない。県立図書館本の表題に「第十三雑部 累歳録抄 伊東志摩守自筆日記」とあり、また記述内容からも抄本であると思われる。内容は伊東氏の分家当主の日記抄であるが、本家飫肥藩の記述が豊富。元禄二年祐賢領の松永村・上下南方村が上知され、飫肥藩領との間に論所問題が起きたこと、宝永四年の飫肥藩五代藩主伊東祐実の後継者祐崇の廃嫡問題などが記され、祐実と柳沢吉保ら幕府要人との関係を知ることのできる数少ない史料である。ほかに延宝九年酒井氏との婚姻、祐賢の娘と一族伊東祐連(祐崇の実弟)との婚礼、富士山の噴火、飫肥藩領内の災害の記録などが記されている。

活字本宮崎県史」史料編近世4抄出

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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