伊夜比神社(読み)いやひめじんじや

日本歴史地名大系 「伊夜比神社」の解説

伊夜比神社
いやひめじんじや

[現在地名]能登島向田

能登島のほぼ中央部の北側、通称八幡はちまん山の麓に東に面して鎮座する。祭神は大屋津姫命を主神として応神天皇・神功皇后・天照大神・豊受大神を祀る。旧村社。「延喜式」神名帳能登郡所載の同名社に比定される。社伝によれば、初め向田こうだの南東方にあるヤミあるいはイヤミとよばれている山中にあったが、のちに八幡山(現社地)八幡宮の地に移転し、同殿に祀られたといい、貞享二年寺社由緒書上にも「伊夜比神社八幡宮同殿」とある。

嘉吉三年(一四四三)八月の棟札(当社蔵、以下省略)によると、守護代遊佐忠光を大檀那とする当社本殿の上葺が行われ、ほかに向田村地頭温井慶宗、まがり村地頭富田慶行・代官辻本行宗、神主藤原兼光の名がみえる。当時能登島全域は能登守護畠山氏の支配下にあり、そのもとで守護被官が島内の村地頭として管理に当たっていたことから、惣島鎮守的地位にあった当社の葺替えに守護代が大檀那となり、勾村地頭の富田氏が実務に当たったものらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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