付替(読み)つけかえる

精選版 日本国語大辞典 「付替」の意味・読み・例文・類語

つけ‐か・える ‥かへる【付替】

〘他ア下一(ハ下一)〙 つけか・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した)
① 取りかえて別のものにする。他のものをつける。また、取って別のものにつける。とりかえる。
※枕(10C終)四一「鶯は〈略〉夏・秋の末まで老いごゑに鳴きて、むしくひなど、ようもあらぬ者は、名を付けかへていふぞ」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「もも引の破をつづり笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより」
灯火を他のもにかえて点じる。
※虻(1910)〈青木健作〉三「夫婦は表の間の物を片寄せて、ランプ行灯に点(ツ)け替へて床を敷いた」
③ 商取引で、一度依頼した人の分を他の人に移して新しい取引とみなす。一度決めた取引を他のものとかえる。一度約束した金利利率途中で変更する。
④ 他地方にある三つの銀行間において、現金を用いず、帳簿上の為替(かわせ)資金の移動を行なって、為替の帳じりを決済する。

つけ‐かえ ‥かへ【付替】

〘名〙
① 他の物ととりかえてつけること。また、そのもの。
※俳諧・蓼すり古義(1771)「附直て見するには心得よ。一句も又是を執筆立ちと云。此下もたがひたる事多く、附かへの句々皆臭腐也」
② 商取引で、一度依頼した人の分を他の人に移して、新しい取引とみなすこと。一度決めた取引を、他のものとかえること。約束した金利の利率を途中で変更すること。
歌舞伎曾我梅菊念力弦(1818)四立「利上げをして、附(ツ)けかへでもなされば」
③ 銀行の相互決済法の一つ。他地方にある三つの銀行間において、現金を用いないで、帳簿上の為替(かわせ)資金の移動を行なって、為替の帳じりを決済するもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報