今泉庄(読み)いまいずみのしよう

日本歴史地名大系 「今泉庄」の解説

今泉庄
いまいずみのしよう

和名抄」和泉郡上泉かみついずみ郷・下泉しもついずみ郷に近い地にあったと推定され、現泉大津市南東部から和泉市府中ふちゆうにかけた地域に比定されるが、正平六年(一三五一)一二月二九日の後村上天皇倫旨(吉水神社文書)に「和泉国散在今泉内五箇畑・草部・下条等」とあるように、一円的ではなく現岸和田・堺両市域にも広く散在していたようである。摂関家領で中世には近衛家伝領。庄名が確実な文献にみえるのは一二世紀初頭からで、保安年間(一一二〇―二四)の和泉国池田郷内の地をめぐる兼貞珍光時論田勘注案(近衛家本「知信記」天治二年至五年巻裏文書)に、永久四年(一一一六)五月二七日付の今泉御庄預所河内権守惟安下文と保安四年九月二七日付の珍光時申文が引かれ、後者には「今泉御庄寄人」らが本家殿下(藤原忠通)政所下文に背いて、珍光時の刈り置いた稲を押取ったことが述べられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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