20世紀日本人名事典 「今村 明恒」の解説
今村 明恒
イマムラ アキツネ
明治〜昭和期の地震学者 東京帝国大学教授;地震学会会長;震災予防協会理事長。
- 生年
- 明治3年6月14日(1870年)
- 没年
- 昭和23(1948)年1月1日
- 出生地
- 鹿児島県
- 学歴〔年〕
- 東京帝大理科大学物理学科〔明治27年〕卒
- 学位〔年〕
- 理学博士
- 経歴
- 明治27年陸軍士官学校教授、かたわら震災予防調査会の依頼で地磁気の測定を行った。28年東京帝国大学副手、助教授となり地震学の研究を進めた。大正12年教授に進み、関東大震災後の13年地震学科創設と共に主任となり、のち地震研究所所員を兼務。昭和4年地震学会が創設され会長となり、機関誌「地震」の編集主任を兼ね、会長在職18年。その間6年に東大退職。また震災予防調査会幹事として調査活動を続け、その後震災予防評議会に改組されたが、廃止となって震災予防協会を設立、理事長を務めた。統計学的研究による磁気測定、地震計の考案、津波の地殻変動原因説を唱え地震波の伝播速度測定など、地震学発展に貢献した。明治38年江戸開府以来の統計をもとに、関東地方に大地震が起こり得るという論文を発表、大森房吉との間に大論争を巻き起こしたことで知られる。著書に「地震学」「理論及応用地震学」(英文)、「地震講話」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報