人人(読み)ヒトビト

デジタル大辞泉 「人人」の意味・読み・例文・類語

ひと‐びと【人人】

多くの人たち。めいめいの人たち。一般の人たち。「災害地の人人を激励する」「人人意見を聞く」
多くの女房召使いたち。
「若き―、悲しきことはさらにも言はず」〈桐壺
複数の人に対して代名詞のように用いて)みなさん。あなたがた。
「あれ御覧ぜよや―」〈謡・蘆刈
[類語]方方連中

にん‐にん【人人】

各人。めいめい。
「是れは全く―の貧富に由ることにして」〈福沢福翁百話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「人人」の意味・読み・例文・類語

ひと‐びと【人人】

〘名〙 「ひと」を重ねて複数を表わしたもの。
① 多くの人たち。元来「ひと」という語は、一般的に人間をさす語であるから、身分の高い者をさしていうことはまれで、中古物語などで「ひとびと」という時は、女房たちや従者など召使いをさしていることが多い。
古今(905‐914)雑体・一〇〇六「秋のもみぢと ひとびとは おのがちりぢり わかれなば〈伊勢〉」
② 複数の対称を表わす代名詞のように用いる。皆さん。あなたがた。
※宇治拾遺(1221頃)六「人々の御有様を見るに」

ひとびと‐し【人人】

〘形シク〙
① 人なみである。世間一般の人と同じである。人間らしい。
※枕(10C終)四三「蠅こそ〈略〉人々しう、かたきなどにすべきもののおほきさにはあらねど」
② かなりの身分である。一かどの人らしい。身分、または人格がすぐれている。立派である。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「ざえも時にあひ、人々しければこそ、めでたうかひあれ」

にん‐にん【人人】

〘名〙 ひとびと。各人。めいめい。各各。各自
風姿花伝(1400‐02頃)七「ここにこの風体をもてあそめば、かしこにまた余の風体を賞翫す。これにんにん心々の花なり」

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