亭号(ていごう)(読み)ていごう

知恵蔵 「亭号(ていごう)」の解説

亭号(ていごう)

柳家、三遊亭、桂、林家、古今亭、春風亭、笑福亭、立川など、芸名の苗字。落語家誕生の直後から存在し、一門、家門の意識が強い。「柳隠居に三遊若旦那」のように芸風、得意分野が分かれる。「山椒は小粒でピリリと辛い」から三笑亭可楽、山遊亭猿笑から三遊亭圓生など、言葉遊び風に名付けられたものもある。東京ではほかに金原亭(きんげんてい)、入船亭(いりふねてい)、三升家(みますや)、橘家、鈴々舎(れいれいしゃ)、月の家、蝶花楼(ちょうかろう)、雷門(かみなりもん)など、上方には月亭(つきてい)、露の、森乃などがある。五代目志ん生は、生涯に16回名を変えた。

(太田博 演劇・演芸評論家 / 2007年)

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