京の着倒れ、大阪の食い倒れ(読み)きょうのきだおれ、おおさかのくいだおれ

ことわざを知る辞典 の解説

京の着倒れ、大阪の食い倒れ

京都の人は衣装に、大阪の人は食べ物に、財産を使い果たすほど金をかける。

[使用例] 西京は誠に扮装なり道楽で中等以下の娘らちょっと見物に出るにもどこの令嬢かと思うような奇麗な扮装を致します。その代わり食物はとんと奢りません。〈略〉大坂は喰物は奢りますが扮装には構いませんから大坂の喰い倒れと言って、上方では京の着倒れ、大坂の喰い倒れと申して、その言語風俗までが異っております[禽語楼小さん*落語春日の鹿|1891~92]

[解説] 前半後半とも、それぞれ単独でも用いられ、「堺の建て倒れ」などと続ける場合もあります。土地によって人々の好みや金をかけるものが異なることを示すもので、他にも二つの地名を対比した次のようなものが各地にあります。「阿波の着倒れ伊予の食い倒れ」「尾張の着倒れ美濃の系図倒れ(差し倒れ)」など。「系図倒れ」は家の系図にうるさいことで、「差し倒れ」は帯刀に凝ること。

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