交通騒音・振動(読み)こうつうそうおん・しんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「交通騒音・振動」の意味・わかりやすい解説

交通騒音・振動
こうつうそうおん・しんどう

鉄道,自動車,航空機など交通機関が発生する騒音振動。交通手段の大量化,高速化,大型化に伴い被害が飛躍的に増大しており,その態様も心理的な悪影響から難聴頭痛,胃腸障害,さらに高血圧など病気の増悪と健康被害にまで及んでいる。騒音の実例では,新幹線沿線で騒音 70ホン,振動 70dB以上の家屋が1万 8000戸,大阪国際空港周辺で WECPNL90以上の区域が 5km2,自動車幹線沿道では一般に夜間 70ホンをこえる,など多方面に被害を生じている。従来,交通機関の公共性が高いことから,被害者が各種の要求を行うことは困難であったが,被害の激化はその受忍限度をこえると判断される場合が多くなっている。このため大阪国際空港公害訴訟のような紛争が多くなり,また空港,新幹線,自動車幹線道路の新設反対なども激化している。対策としては,各種環境基準,勧告基準を定めて,施設の改善の指針とするもの,あるいは規制値を設けて規制するものなどがある。 (→航空機騒音 , 自動車騒音 , 新幹線騒音 )

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