井向村(読み)いのむかいむら

日本歴史地名大系 「井向村」の解説

井向村
いのむかいむら

[現在地名]春江町井向

西長田にしながた村の北にあり、その北は兵庫ひようご川を挟んで下兵庫しもひようご(現坂井町)。「大乗院寺社雑事記」文明二年(一四七〇)七月一四日条に「河口庄郷々内村名」として記される兵庫郷内の一村に「井向の村」とある。貞享三年(一六八六)福井藩領より幕府領となり、明和元年(一七六四)以降三河国西尾藩領。正保郷帳によると田方七一一石余・畠方二二〇石余。当地にある真宗大谷派応観おうかん寺は慶安三年(一六五〇)祐念の時、寺号を免許された(申物帳)

兵庫川南岸の自然堤防上に、慶応四年(一八六八)三個の銅鐸が出土した井向遺跡がある。発見当時の状況は必ずしもつまびらかでないが、二個の銅鐸は互いにその基底部を差込み、そのなかに貨幣様のものを包蔵していたと伝える(「福井県史蹟勝地調査報告」第一冊・福井県内務部・一九二〇年)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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