五戸(読み)ごのへ

精選版 日本国語大辞典 「五戸」の意味・読み・例文・類語

ごのへ【五戸】

青森県南東部、三本木原台地南端にある地名奥州街道浅水伝法寺の間にあった旧宿駅。古来、馬の産地として知られ、また、米、リンゴなどを産する農業地帯。

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改訂新版 世界大百科事典 「五戸」の意味・わかりやすい解説

五戸[町] (ごのへ)

青森県南部,三戸(さんのへ)郡の町。2004年7月旧五戸町が西に接する倉石(くらいし)村を編入して成立した。人口1万8712(2010)。

五戸町西部の旧村。旧三戸郡所属。人口3468(2000)。奥羽山脈東麓にあたる丘陵が村域の大部分を占める。中央を北西に流れる五戸川沿いに水田,集落が分布する。戦国時代は三戸南部氏の配下であった又重氏の支配下にあり,近世には南部藩の九牧の一つ,又重の牧があり馬産地として知られた。1955年以降人口減少が続き,過疎地域に指定されている。稲作のほか,リンゴ,野菜の栽培畜産が行われ,近年はナガイモニンニクの生産が盛ん。

五戸町東部の旧町。三戸郡所属。人口1万7850(2000)。三本木原台地南端を占め,台地を刻む五戸川と浅水川沿いに集落が分布する。古くから馬産地として知られ,町名も南部藩が馬産振興策としてこの地方を九つの戸(牧場の意)に区分したことに由来する。中心の五戸は近世には代官所が置かれ,陸羽街道の宿場でもあったが,東北本線の路線からはずれ,とり残された。1930年に尻内(現,八戸市)~五戸間に五戸電気鉄道(のち南部鉄道と改称)が開通したが,68年の十勝沖地震で不通となったのを機に廃線となった。五戸川沿いの低地では稲作,台地上ではリンゴ,蔬菜,ナガイモの栽培が盛んで,県の畑作園芸試験場,養鶏試験場がある。1964年八戸新産業都市の一部に指定され,67年に地蔵平工業団地が造成された。近世後期の在郷士族の住居として重要文化財に指定されている江渡(えと)家住宅がある。
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