二ノ瀬村(読み)にのせむら

日本歴史地名大系 「二ノ瀬村」の解説

二ノ瀬村
にのせむら

[現在地名]左京区鞍馬くらま二ノ瀬町

鞍馬街道に沿い、野中村と鞍馬寺門前の間にある街村。鞍馬川の渓流に臨み山間の小盆地に立地。鞍馬街道はこの二ノ瀬村で分岐し、一方は鞍馬寺門前・別所べつしよ村へ、他方は貴船きぶね村から丹波国芹生せりよう(現北桑田郡京北町)へと至る。

文献上では貞治五年(一三六六)二月一八日付の蓮実法師等の違乱を停止すべき綸旨に、「当寮領梅原内二瀬村」(主殿寮所領文書)とみえるのが早く、主殿寮領であったことがわかる。また同年一一月付の小野山供御人陳状(同文書)にも、

<資料は省略されています>

とあり、直接には小野山おのやま供御人の管理下におかれていた。「賀茂社司記」(宮内庁書陵部蔵)応永二六年(一四一九)一一月一八日には「御退治アリ、所司代氏家越前守ヲ被使、二瀬ノ西ノ山ノ上エ貴布禰谷百姓当所ノ土民氏人相向、山ヨリ攻下、悉令放火者也」とあり、二ノ瀬の百姓が貴船社神人を殺害し室町幕府が所司代氏家範長をもってこれを討たせたことがみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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