事無草(読み)ことなしぐさ

精選版 日本国語大辞典 「事無草」の意味・読み・例文・類語

ことなし‐ぐさ【事無草】

〘名〙
植物しのぶ(忍)」の異名。《季・夏》
※後撰(951‐953頃)恋二・六九七「つまにおふることなしくさを見るからにたのむ心ぞかすまさりける〈源庶明〉」 〔俳諧・俳諧二見貝(1780)〕
② 植物「こなぎ(小菜葱)」の異名。〔言塵集(1406)〕
[補注]歌語の一つで、「後撰‐雑三」の「かざすとも立ちと立ちなん無き名をば事なし草の甲斐や無からん〈紀貫之〉」のように、「事無し」や「言無し」の意と掛けて、災いを回避したいことや望みが叶わぬ嘆きをこめる。

ことなし‐の‐くさ【事無草】

〘名〙 植物「しのぶ(忍)」の異名。
古今六帖(976‐987頃)六「君見てしほどのふるやのひさしにはあふことなしのくさぞ生ける」

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動植物名よみかた辞典 普及版 「事無草」の解説

事無草 (コトナシグサ)

植物。ミズアオイ科の抽水性一年草,薬用植物コナギ別称

事無草 (コトナシグサ)

植物。シノブ科の落葉多年草,園芸植物。シノブの別称

事無草 (コトナシグサ)

植物。ミズアオイ科の抽水性一年草。ミズアオイの別称

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