中津川郷(読み)なかつがわごう

日本歴史地名大系 「中津川郷」の解説

中津川郷
なかつがわごう

戦国期からみえる郷名で下長井のうち。現飯豊町の南半、飯豊山(二一〇五・一メートル)の北麓、しら川の上流およびその支流の河岸段丘上に開かれた渓谷沿いの小集落の集まりで、近世初期の邑鑑ではそれぞれ十数戸ほどの一一ヵ村からなる。のちに岩倉いわくら高造路たかぞうろ川内戸かわないど上屋地かみやち白川しらかわ・下屋地・宇津沢うつさわ数馬かずま小坂こさか須郷すごう上原うわばら遅谷おそだに広河原ひろがわら小屋こやの一四ヵ村に分れ(上杉領村目録)米沢藩の地域呼称では内中津川うちなかつがわ郷一四ヵ村と総称された。

天文七年(一五三八)段銭古帳に「三十四〆廿五文 中津川」とみえる。伊達氏天文の乱後の晴宗公采地下賜録によれば中津川大膳に郷内の「四郎ゑもん在け」、中津川伯耆守に「うハはら屋敷同てさく」「たかそうろ」「かつま」「けひこ」、中津川三郎四郎に「いやしきてさく」「白川在け一けん」および中津川助兵衛よりの質流地「ちかく在け一けん」がそれぞれ与えられ、三郎四郎は中津川の山川総成敗権を認められ、田銭・諸公事を免除されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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