精選版 日本国語大辞典 「世帯・世諦」の意味・読み・例文・類語
せ‐たい【世帯・世諦】
〘名〙
① 財産。資産。家産。家財。所帯。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)五「家産は世諦(タイ)のことぞ。本伝には産業とあるぞ」
※浮世草子・御前義経記(1700)二「深い約束して此暮より、世帯(セタイ)するはずに堅いきはめ」
③ 住居および生計を同じくしている者の集団。所帯。
④ (━する) 金銭のやりくりをすること。倹約し生活を維持していくこと。生計をたてること。
※満済准后日記‐応永二九年(1422)正月二二日「自今夕不動不断護摩開白、供料三河国衙沙汰、世諦一方政所沙汰」
※東海夜話(1645頃)下「世諦の方に始末なくして、財宝を猥に費す者、その行末必す盗をす」
⑤ 「せたいもち(世帯持)」の略。
※雑俳・柳多留‐三(1768)「自身番捨子が泣て世帯めき」
⑥ 船の部分の名称。食事を調理する所。世事(せいじ)。
[語誌]「所帯」から転じた語といわれる。「世諦」と書く例もあるが、この語は別に「世俗」の意で古くから仏典中に見られる。→せたい(世諦)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報